μ'sの物語とAqoursの物語

(2016/12/5に投稿したものの再掲です)

 

この記事はラブライブ! Advent Calendar 2016の5日目の記事として公開されています。

昨日の記事は、@shanonimさんのラブライブの二次創作についてにでした。 二次創作は、他の人の「ラブライブ!観」がよく見えるもので、言わば普通のオタクが感想とか妄想とかを色々話しているものが形になった感じですよね。 勿論全部の作品が受け入れられるわけではないところはありますが、色々な人の考えを見れば見るほど良いところは更に良くなって感じられる気がします。

あれから一年

本題に入る前に。。。 本日は12/5ですが、ちょうど一年前の2016/12/5には大きなイベントがありました。 1つは内田彩さんの有明コロシアム公演、「2nd LIVE Blooming!咲き誇れみんな」がありました。 個人的には妄想ストーリーテラーがもの凄く印象に残っています。ライブでしか見られない楽曲の一面が垣間見えました。 また、前日にはミュージックステーションにμ'sが(8人ですが)出演してKiRa-KiRa Sensation!を歌うなど、この頃のμ'sの勢いは留まることを知らない状況でした。

そして。。。2016/12/5は、TOKYO MX他でラブライブ!の特番があり、FINAL LOVELIVE! 〜μ'sic Forever〜の開催が告げられた日でした。

劇場版において、μ'sの最後のライブまでが描かれ、ファンの人に「終わりという存在」を、そして限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドルの素晴らしさを知らしめましたが、アニメだけでなく、中の人のライブイベントとしても最後が告げられてしまいました。

どのようにこの事実を受け取ったかは皆さん個々にあると思いますが、私としては「劇場版のあの流れをやってしまうとしたら、ライブも最後であって然るべき」という気持ちがある程度はあったので、混乱しながらも納得はしてしまってた気がします。

あれから1年、FINALライブのBlu-rayも発売し、μ'sの中の9人も個々に活躍しています。 武道館ライブをした人も何人か。海外公演も頻繁に行われており、濃い1年が過ぎたなと思います。

そんな今日に、皆さんの今の気持ちは大切に、半年前・1年前・それよりもっと前に皆さんが「ラブライブ!μ's」に対してどう思ってたか、思い返したりして欲しいなと思います。 今は少し離れてしまった人でも、過去に「好き」だった想いは嘘じゃないと思いますし。

μ'sの物語とAqoursの物語

はじめに

本題までが長くなってしまいましたが、本題のタイトルは「μ'sの物語とAqoursの物語」にしました。 個人的にあまり直接的な比較はしたくないと心の底では思いつつ、やはりサンシャイン!!が「μ'sに憧れた」千歌ちゃんやAqoursメンバーが紡ぐ物語である以上、多かれ少なかれ対比させてしまうところが皆にもあるのではないかなと思います。 そして、「Aqoursはμ'sと違う物語を作って欲しい」と感じてる人もきっと少なくない…と思います。(少なくないよね…?)

Aqoursもアニメの1期が終わり、ある程度物語も進んで来たということで、本記事では、μ'sの物語とAqoursの物語を対比させて個人的に大きな「違い」があるなと思った部分を記載しています。 個人の感覚の部分が大きいので、「いやいやいや」って思う部分もあるかもしれないですが、弱い1オタクの考えと思って見て頂ければ。

「個」と「個同士の関係」

私の感じた結論から先に言いますと、μ'sとAqoursの物語の描かれ方の違いの一つが、μ'sは「個の想い」が強いのに対し、Aqoursは「個同士の関係」が強いという点があると私は感じています。「個同士の関係」というのは、簡単に言えばカップリングの素になる、「誰かが誰かを想う」という要素です。

もちろん、だからと言ってμ'sに個同士の関係がないわけでも、Aqoursに個の想いがないわけでもなく、単にそれぞれの要素が占める割合が大きいということです。 スクールアイドルとして9人で物語を紡いで行くためには、「個の想い」も「個同士の関係」もそれぞれある程度ないと良い物語はできないと思いますし、「個の想い」の強さが「個同士の関係」によって深められている、もしくは逆のパターンも多くあると思っている上での感想です。

アニメの描かれ方の違い

私がAqoursに対して上記の「個同士の関係」の強さが際立っているな、と感じたのは、9話「未熟DREAMER」でした。 3年生についてのお話でしたが、「果南ちゃんが鞠莉ちゃんの怪我を見かねて歌わなかった」。一方で「鞠莉ちゃんは自分のための留学なんてどうでも良いくらい3年生組とスクールアイドルをやることが楽しかった」、という、「自分以外」に対する想いが強すぎて、そしてすれ違う。そんなお話でした。 更に、未熟DREAMERの歌詞も相まって(後述)、サンシャイン!!の「個同士の関係」に気づかされました。

9話だけでなく、その後の11話「友情ヨーソロー」でも同様。曜ちゃんが千歌ちゃんを、そして千歌ちゃんが曜ちゃんを想いすぎたからこそのすれ違い。なんかバカップルみたいですね。末永く爆発しろってヤツ。

一方のμ'sは、1期だけ見ても個人がどう想っているかという点が強く表現されていました。 4話の「まきりんぱな」の花陽ちゃんのスクールアイドルに対する想いの強さ、8話の「やりたいことは」の絵里ちの本当はやりたいことなのにできないもどかしさ、9話「Wonder Zone」のことりちゃんの秋葉原メイド喫茶で働いている時の楽しいという気持ち。他のメンバーからのアドバイスや時には衝突もありながらも、最終的には一人の子の決断・結果に繋がっていくものになっています。

最後の留学に関しては、ある程度「個同士の関係」(ことりちゃん→穂乃果ちゃん)が見えるものになっています。ただ、穂乃果ちゃんは「私が嫌だから留学に行かないで(意訳)」と自分を主眼(ワガママとも言う)にしているところが印象的で、果南ちゃんが「鞠莉のためになるから」留学に行くべき、と言っていた点とは対象的だなと感じます。

楽曲について

Aqoursの楽曲は、「個同士の関係」を強調したものが目立ち、先述のアニメで描かれた内容で更に楽曲が際立つようになっている気がしています。 下記に個人的そこらへんの内容が際立つ歌詞を抜粋(あんまり歌詞を書きすぎるとマズそうなので全体はリンク先をご覧下さい)。

未熟DREAMER」 アニメ9話挿入歌。 http://www.kasi-time.com/item-79777.html

1番Aメロ2回目

言葉だけじゃ足りない〜ずっと気になってた

サビ

みんなとなら 乗り越えられる これからなんだね お互いがんばろうよ

Dメロ

やっとひとつになれそうな僕たちだから 本音ぶつけあうとこから始めよう

一言で言うと「このみんなだから頑張れる、進んでいけるんだ」という曲。 お互いを想いすぎるAqoursのメンバーだからこそ、この「みんな」に向けた歌詞の意味は大きいなと。

「ハミングフレンド」 青空Jumping HeartのB面。

http://www.kasi-time.com/item-79501.html

1番Aメロ

どっちの服が似合うかな〜こっちだよって言ってくれたマイフレンド

2番Aメロ

きっとさ不純なキモチに〜しっかりしなって言ってくれたマイフレンド

2番Bメロ

隠しててもホントは〜ケンカもしちゃうけど

いやー、この曲最初聴いた時からなんかヤバいにおいを感じていましたが、上記のことに気づいてからはもう個人的サンシャイン!!最強の曲と化しました。 一言で表すと「お互い助け合って君と一緒に進んで行こう」という感じかなとおもいますが、お互いを大切に想いすぎるAqoursだからこそエモさが増します。 迷ってたら誰かが助ける、不安だったら誰かが励ます。アニメでそういう描写があるごとに、この曲の破壊力は増していく気がします。

μ'sでは友情とかそういうものがテーマの曲に友情ノーチェンジがありますが、これは歌詞も応援ソングっぽい感じで、上記の2曲のような「君だからこそ」といった意味は薄いかなと感じます。

μ'sは、みんなの力を借りてそれぞれのメンバーが自分の「やりたいこと」を叶え、成長していく物語と、その上で9人のμ'sとして歌い、新たなステージに進んでいく物語と思っていて、個々が成長した内容とかそういうものを踏まえるとエモい曲が数えきれないくらいあります。 1曲だけ例を挙げると、START:DASH!!、この曲は「START」と「DASH」の2つの単語がテーマで、アニメで2回歌いましたが1回目の穂乃果ちゃんたち3人のガラガラの講堂から「やりたいから」という想いを見つけた「START」「DASH」。2回目のμ's9人の講堂を埋めて新しい夢に向かって行く「START」「DASH」の意味は全然違うものになっていますが、それぞれ大きな意味を持つものになっていると思います。 加えて、Solo Liveを聞くと、それぞれのメンバーの「いま」、そしてこれから「やりたいこと」、9人の「START」「DASH」がある。そう感じられるのは、やはり個々の想いの強さによってなされるものな気がします。

サンシャイン!!へのこれからへの期待

色々書きましたが、個人的にはもともとμ'sが大好きなのは「個」の想いの強さが大きい理由としてあるので、サンシャイン!!の二期ではもう少し踏み込んで9人それぞれがどうありたくて「やりたいこと」は何か、というところを見せて欲しいなと思っています。 μ'sと同じであって欲しいというわけではなく、Aqoursのメンバーはμ'sメンバーとは生まれ育ちも違うでしょうから、また違った「やりたいこと」があるんじゃないかなと思っています。

個の想いや個同士の想いは原動力でしかないので、そこから作られていく物語は色んな形があると思いますし、どんな物語を紡いでいくのか1オタクとして見守っていこうと思います。

最後になりますが、カップリングで言うなら何故ちかなんが目立っていないのか意義を唱えたいところであります(真顔)